今回はちょっと自己満足の企画です。
管理人の愛車につけている自作W−WINGがこの度完成しました!
この自作部品は考案から現在まで1.5年かかった大作なんで考案から完成までを以前から取り貯めしていた画像を入れながら紹介したいと思います。
製作紹介というよりも読み物的な部分が多いかも・・(^。^;)
かなりの重加工もあったんで製作しようと思われる人は少ないと思いますがここまで頑張って作った管理人の自己満足のページにお付き合いくださいませ。
また、もしも自作にてこのようなウイング製作に挑戦したいという方がおられましたらアドバイス等はしますのでメールください。
考案
PRELUDEに乗った当時から管理人には憧れのエアロがありました。
エアロメーカー”hiro”のアーチウイングです。(左画像)
もともと、現行スープラの大きなアーチウイングが好きだったのでこのウイングをぜひとも愛車に付けたくて仕方ありませんでした。
ですが、軍資金がなかったために新品の購入は当然出来る訳もなく中古を探すべくヤフーオークションや個人売買のページを見たり、中古パーツ屋に足を運びましたが当時人気があったせいか値段の折り合いがつくものがなく、諦めかけていた時のことです。
偶然、毎月購読していた某雑誌にプレリュードフェスタの記事が載っていまして、その記事の中でINTEGRA type−R(DC2)のウイングを加工してPRELUDEに装備している方がいるではありませんか!!
余談ですが、このページを見たのがきっかけで管理人は現在所属しているPFC(Prelude Fan Club)の入会をしました。
きっかけって本当にわからないものです。

欲しかったアーチウイングよりは高さがないものの同じコの字のアーチウイングだということで「この加工って自力でやれないかな?可能なら意外と安く欲しかったアーチウイングが手に入るかも!」という野心が・・・・・
ただ、当たり前ですがそのためにはINTEGRAの純正ウイングを入手しなくてはいけません。
結局のこの時点で価格・程度の折り合いがつくINTEGRA純正ウイングは発見出来ず、この計画はしばらく凍結状態になりました。
そんなある日、当時勤めていた会社の先輩でINTEGRA type−R乗りの方と車談義に花を咲かせている時、ふとその事を思い出して・・・
ナタク:「そういえば、今、INTEGRAフルエアロ組んでますよね?純正品ってどうしたんですか?」
先輩:「家に置いてあるよ」
ナタク:「あのぉ、じゃあ純正ウイングもですか?」
先輩:「うん。あるよ」
ナタク:「もしよかったらそのウイング譲ってもらえませんか?」
先輩:「いいよ。あげるよ」
なんていい人なんでしょう!!
こうして無事無償でチャンピオンシップホワイトの純正ウイングをGETすることが出来ました!!
そんな喜びもつかの間、予想外の問題が!!
ルンルン気分で愛車PRELUDEにINTEGRAのウイングをあてがって見ると・・・・PRELUDEのウイングよりもINTEGRAのウイングの方が幅が広く横幅を縮めないとリアゲートに乗らないではありませんか!!
・・・・ということは、あの雑誌で紹介されていた方はウイングを切って幅を縮めて使っていたということか・・・・
「どこが小加工で取り付けているやねん!!めっちゃ重加工やん!!(▼▼メ)」
当時はまだ電装系の自力での取り付け程度が関の山だった管理人の力じゃあFRP素材の成型加工なんて無理なレベルだったんでもうこの時点でかなり意気消沈でした。
でも、せっかくもらったウイング、このまま諦めるわけにもいかず「じゃあ、ウイングを切らずにどうにかしてPRELUDEに取り付け出来ないか?」という方向に考えていろんな手を考えましたがなにしろ、走行風をまともに受け、ダウンフォースを生み出すほどの抵抗のかかるリアウイングです。安易な取り付けでは抵抗に負けて破損する恐れがあったのでどの方法もうまくいくとは思えませんでした。
諦めかけていたある日、いい方法がないか考えながら何気にPRELUDEの純正ウイングの上にINTEGRAのウイングを重ねてみたところ羽自体の横幅がほぼ同じではありませんか!
それに意外と格好いい!!
「じゃあ、PRELUDE純正のウイングの端を切り取ってINTEGRAのウイングの内幅と同じにしてやれば・・・・」
ここからとうとうW−WINGの作成が始まりました。
W−WING製作 PRELUDEウイング切断編
この当時、管理人が働いていた会社は機械の設計製造メーカーでした。
そんなわけで機械場には汎用工作機がほとんど揃っているという恵まれた環境でした。
管理人ももともと専門学校の機械科卒業なのである程度ならものを工作することも出来ましたし。
早速、休日に機械場に2つのウイングを持ち込んで作業開始です。
まずはPRELUDEの純正ウイングの加工に着手しました。
INTEGRAのウイングの内幅を計り、この幅に収まるような寸法にPRELUDEの純正ウイングに切断する印を付けていきます。
その後、帯ノコ盤と言われる材料をを切断する機械(中学校の技術なんかで木板を好きな形に切るのに使った糸ノコ盤の巨大なもの)を使ってウイングに付けた印通りに切断していきます。
大まかに切断が出来たら実際にINTEGRAのウイングにはめてみて形状の合わないところをさらに手ノコやヤスリで仕上げていきます。
加工している相手がFRPなので切り粉が舞って床一面から自分の体まで一面真っ白!!
さらにFRPは繊維質なんで切り粉が手や足に刺さって痛いようなかゆいような大変な状況での作業でした (^-^;
FRPを加工する時はマスクや手袋をし、肌を露出しないような服装で行いましょう・・・・・
W−WING製作 ウイング接合編
純正ウイングの切断&INTEGRAウイングとのフィッティング作業が終わったら両ウイングの接合です。
考案の項にも書いたようにウイングにはかなりの抵抗がかかるためかなりの強度を持たせなければいけません。
そこで、管理人が使用したのは硬化後にかなりの強度が得られるグラスファイバーパテです。
主剤と硬化剤を混ぜ合わせてから両ウイングの接合部に盛っていきます。
ですが、いくら強度があるとはいえ所詮はパテ。
本当に走行時の抵抗に耐えられるか不安です。
そこでPRELUDE純正のウイングの足元に鉄板を共締めしてその鉄板にINTEGRAのウイングを固定する方法を取りました。
使用したのは厚さ1.5mmの鉄板です。
手ノコや帯ノコ盤で加工出来ないわけではないですが時間がかかり過ぎるのと仕上がりが手仕上げでは綺麗にならないので縦フライス盤という機械で左右各1枚 計2枚の鉄板をまとめて綺麗に加工しました。
とりあえず使用する鉄板に仕上げの形状を罫書きます。
一応機械の使い方は知っていますが”もちはもち屋”です。慣れている人にはかないません。
そこで・・・・機械場が職場の後輩に電話・・・・・
ナタク:「あ、俺だけど何してた?」(当日は土曜日)
後輩:「あ、おはようございます。さっき起きました。」
ナタク:「ヒマ??」
後輩:「なんでですか?」
ナタク:「昼飯おごるから加工手伝ってくんない?」
後輩:「・・・・・いいですけど、今どこですか?」
ナタク:「会社の機械場に来て。待ってるから」
・・・・・なんてタチの悪い先輩なんでしょう・・・・(-_-)(K.F君、あの時はごめんね・・・)
・・・・・というわけで昼飯のおごりをバイト代代わりに両ウイングをつなぎ合わせる鉄板の加工をしてもらいました。
なお、INTEGRAのウイングの足元には植込ボルトがついているので手ノコで切り落としたあと鉄板とウイングをブラインドリベットで固定しました。
また、鉄板のままだとリアゲートに傷がつく可能性があるのと防水がしっかりされない可能性もあるのでリアゲートと触れる部分にゴム板を接着剤で張りました。
W−WING VersionT完成
こうして苦労しながらも自作W−WINGが完成しました。
ちゃんと純正のハイマウントストップランプも機能させています。
かなり異色のリアビューに仕上がったと思います。
半ば、怪我の功名から出来た作品ですが結果としてはかなり満足のいく出来だと思います。
強度的にも全く問題ありませんでした。
この加工がきっかけになり、極力自力での作業で愛車の改造・整備をしていこうと思い始めましたのである意味、今管理人がてがけているDIYによる愛車作りの原点になっているパーツです。
後日談ですが、当時憧れていたhiroのアーチウイングを安価にて発見・購入し取り付けてオフ会に参加しましたがこのW−WINGのことを知っている方々から批評を受けました・・・・・
管理人が自作で作ったものを外したことに関してそういう意見をもらって本当に嬉しかったです。
W−WING VersionU完成
W−WINGの形状は完成していたんですがどうしてもやりたいことが・・・・
塗装は自家塗装でやったためにツヤがなく色ムラもあったためにお金がある時にちゃんとした塗装を施したいと言うこと。
もう一点。強度を持たせるためにグラスファイバーパテを使用したために主剤の中に含まれているグラスファイバーのせいでヤスリがけをしても肌が綺麗になりにくい。
hiroのアーチウイングを付けていた時、批評を受けて以来W−WINGの復活を計画していたので復活の際にはこの2点を修正してやろうと考えていました。
そこでちょうどPRELUDEのボディーの塗装に割れや錆があったので修正のために板金屋に塗装に出すついでにW−WINGも仕上げて一緒に塗装してもらおうと考え、VersionU製作を開始しました。
行ったことは・・・・・・
1、若干の形状の変更(塗装をし易くするため&強度UP&見た目の一体感を増すため)
2、接合面の仕上げの向上
です。
2つのウイングの接合部を目立たなくし、さらに形状を丸い感じに仕上げてみました。
また接合面の仕上げの向上をはかるために今回の形状変更には仕上げ用の厚付けパテを用いました。
強度はVersionTで十分実証されたのでこれ以上ファイバーパテを使用する必要性もないので仕上げの綺麗さに重点をおいてみました。
塗装に関してはさすがプロの仕事ですね!!完璧なほどに光沢が出てツヤッツヤに仕上がってます。
上の画像の左がVersionT、右がVersionUです。形状の違いがわかると思います。
W−WING VersionUの完成画像と後ろから見た接合部のアップ写真です。
考案してから今回の完成まで1.5年かかりました。
実質、加工・成型にかかった実日数は2ヶ月程度と思っています。
いろいろな苦労や手直し・変更がありましたがこのウイングはこれが最終形態です。
世界一点物のウイングですのでナタク号の一番の特徴ですね。
加工自体も一朝一夕に出来るレベルをこえていますので挑戦してみたい方はかなりの長丁場のDIYになります。
根気よく頑張ってみて下さい。
もしもオリジナルのウイングが完成した際には管理人にも見せて下さいね!