純正のブレーキホースはゴム製です。
これはどういうことか・・・・ブレーキを踏んでマスターシリンダーで発生した油圧がブレーキのピストンを動かす間にブレーキホースが圧力で膨張してしまい、せっかく発生した油圧の何割かが逃げてしまいます。
また、ゴムのために長距離走行や夏場などは熱での膨張もあるんで更に損失があります。
この損失を解消するために販売されているのがステンメッシュブレーキホースです。
ゴムを使用している純正に比べ、熱や膨張による損失が軽減されるために長距離走行などの際のブレーキフィーリングの変化が少なくなります。
今回はこのホースの交換法を掲載します。
また、当然、密閉状態にあるブレーキ系統のホースを外すんですからエアーがブレーキ系統の中にかみますんでこれを取り去らないとフットブレーキを踏んでもエアーの気泡が押しつぶされるだけになってしまい、油圧をかけられなくなるんで全くブレーキがきかなくなってしまいます!!
そんなわけでこの気泡を取り去る作業「エア抜き」が必要になります。
このやり方も紹介します。
まずは下準備です。
車をジャッキアップしてウマをかませて4輪とも浮かせてしまいましょう。
次にタイヤを外して4輪のブレーキをむき出しにしちゃいます。
エア抜きの作業があるためこの状態にしないと作業は無理です。
ジャッキだけで上げたりすると車の転倒の原因になるんでウマを使って確実に車をリフトアップして下さい!
次にブレーキホースを外した際にブレーキフルードが垂れてくるんで新聞をキャリパー下に敷きましょう。
これで準備完了です。
これが今回用意したステンメッシュブレーキホースです
ではでは、順次純正のラインと交換していきましょう!
まずはフロントからいきましょう!
純正のブレーキホースを固定しているボルトを全て外します。
左の画像の赤丸の位置(一番高い位置の赤丸部はこの画像では確認できない裏側にボルトがあります)のボルトを全て外してしまいます。
次にブレーキホース根元の部分にコの字型のクリップが付いているのでペンチを使って手前に引っ張り外してみましょう。
泥などで固着している可能性もあります。
外せたら、一度もとの状態に戻します。
これからブレーキホースの根元を外すのにこのクリップで固定されている方が楽に作業できます。
固着したままでホースの根元を外してしまうとクリップを外す際にフルードが滴り落ちる中の作業になるんで先に一度クリップを外してみて、後で簡単に外せるよう確認してしまいます。
ブレーキホース根元をボディーのブレーキ系統から外します。
フレアーナットレンチを使ってユニオン(ナットのような形状の部分)を緩めて外します。
これを緩めた後、クリップを外すとボディー側のホースが外れます。
最後にブレーキキャリパーについているボルトを外すとブレーキホースが外れます。
この部分ですが、ブレーキホース末端の部分を上下からワッシャーで挟み込み、ボルトで固定する形状になっているので新しいホースを付ける際に2枚のワッシャーを入れ忘れないように注意してください。
後は逆の手順で新しいブレーキホースをつけてやればOKです。
でも、ここで注意!!
ボディー側根元のユニオンの締め込みは締め込み過ぎないように要注意です!!
強く締めこむとボディー側の配管がつぶれて変形する可能性があるので今後のブレーキホース交換の際にフルード漏れの原因になります!!!
強さは少しトルクをかけて締め込む程度でOKです。
フロントブレーキホースの脱着
リアブレーキホースの脱着
基本的にフロントと同様です。
リアのブレーキホースは赤丸の位置の一点どめです。
また、リアの作業前にサイドブレーキを解除することをお忘れなく!
リアのクリップ&ユニオンも同様に取り外します。
リアの末端もワッシャーが2枚付いてるので注意してください。
また、リアは画像で見てもわかるように黒いカバーが付いているんで邪魔だったらボルトを緩めて作業が終わるまで外してしまってもOKですね。
ブレーキのエア抜き作業
ブレーキのキャリパーをみるとコックのような部分がすぐみつかると思います。
ここにメガネスパナをかけてからチューブを取り付けます。
金魚ホースなどで十分です。また気泡を見やすいように透明なチューブを使用してください。
次にボンネットを開けて、マスターシリンダーに付いているブレーキフルードのリザーバータンクのカバーを回して外します。
ブレーキホースからフルードが滴り落ちたせいで油面が下がっているはずなんでブレーキフルードをここに注ぎ足しておいてください。
さて、ここからが体力勝負です!
出来れば2人、可能なら3人で行うのが理想です。
何をやるかというと・・・・・・
1、 一人が運転席に乗り込みフットブレーキを10回踏み、10回目でフットブレーキを奥まで踏み込んだまま待つ。
2、 運転席の人が奥までブレーキを踏んでいるのを確認したらもう一人がキャリパーのコックをメガネレンチで緩めフルードをホースに流す。
ホースの端は缶などに差し込んでおいてフルードを受けてください。
フルードの流出がとまったら再度コックを締め込みます。
3、 再度運転席の人が10回フットブレーキを踏みます。
あとは1〜3を繰り返して、チューブ内の流出するフルードを見て気泡がなくなるまで繰り返します。
4、 もう一人の人、もしくはコックを緩めている人はリザーバータンクのブレーキフルードが減ったら絶えずフルードを補充してください。
また、この作業ですがマスターシリンダーから遠い位置から始め、4輪とも終わったら今度はマスターシリンダーから近いブレーキから再度確認作業を行ってください。
具体的にはBB1−4プレリュードの場合、左後〜右後〜左前〜右前〜左前〜右後〜左後の順で作業します。
最後に各タイヤハウスでブレーキフルードがかかった部分にブレーキクリーナーをかけてよくフルードを洗い流してください。
ブレーキフルードは非常に強い油なのでかかったままほおっておくと塗装面など侵食する可能性があります。
これで一通り作業は終了です。
再度、フルード漏れがないことを確認し、タイヤをつけてウマから車を下ろします。
で、最後にもう一仕事!
フットブレーキを10回程度踏み込んで油圧をかけてから走り出してください。
前にも述べましたがブレーキ系のチューン、整備は直接命にかかわります!!
しつこい程確認して作業を終えてください。
また、作業内容を理解しても他人の作業は極力やらずにアドバイス程度に留まって下さい。
最後に少量のフルード漏れがあるかもしれませんので作業を終えてから少し時間をおいてからブレーキフルードリザーバータンクの油面が下がっていないか確認してください!!