ランサーエボリューションボンネットダクトの流用
 車の持つ最大の熱源は言うまでもなくエンジンですよね。
 この熱気って結構なもので走行後にボンネットを開けるとかなりの熱気が感じられると思います。
 じゃあ、この熱気を外部に放出してエンジンルーム内の温度を下げれば冷却水の温度も下がるしオーバーヒートを防いでやれるんです。
 これをするために各メーカーのスポーツ系の車にはボンネットにメッシュをつけてエンジンルーム内の放熱を行っているものが結構ありますし、各ショップが出しているFRPやカーボンのボンネットにはボンネットダクトがかなり採用されてます。
 
 但し、当然問題はあります。
 専用設計でない場合は穴をあける位置を考えないと水の浸入によるトラブルは当然あります。
 場所的にはラジエターの後ろ辺りがベストみたいですね。

 プレリュードのBB1−4系の車外ボンネットでダクトを採用しているのはJUN−AUTOのモノくらいです。
 当然、そんな簡単に購入出来る物じゃないしナタク号には既にK’s SPEEDのFRPボンネットが装備されているんで購入するメリットも特に無し。
 「もう社外製はいってるし、無理に買う必要もないな」と諦めてました。

 そんな折、地元で整備場所を提供してもらってるじぬさんが「GARANTのボンネットにランサーエボリューションのダクト付ける」という話が!!
 毎度の事ながら自分では結構過去計画した改造のことを忘れる割に他人が似たことに着手するそぶりを見せると自分の過去の計画を思い出していても立ってもいられなくなるんだよな・・・・
 そんなわけで、自分も早速ボンネットダクト自作計画を発動させたのでありました (^-^;
ランエボX/Y用ボンネットダクト
 ボンネットダクトと一口に言っても多種多様です!
 形状も様々・・・・
 汎用のものもありますが今回は管理人のこだわりでランサーエボリューションのボンネットダクトを流用することにしました。
 ランサーエボリューションはそのバージョンによって形状が異なり、Vはボンネット上に突き出るフィンタイプ、Wはメッシュタイプで横に広いタイプ、X・YはWと同様のメッシュタイプですが左右に分かれた2ピースタイプ
 今回用意したのはランエボX/Yタイプのものです。
 管理人が見た感じWのダクトは取付面が平面ではあわせにくい形状をしているのでこちらを選定。
 それとボンネットの強度を保つために極力ボンネットの骨には手を加えずに加工したいという理由から見てもプレリュードのボンネット裏の形状からみてこのダクトが最も強度を落とさないで取り付けが出来るという見解があったための選択でした。
 加工としては当然、ボンネットに穴をあける重作業になるため、下準備をしっかりしないと穴のあいた失敗作のボンネットを増やすだけになってしまいます!
 加工の難易度を少しでも減らすために現物合わせに頼る部分を少しでも減らす事が成功への近道です。
 管理人はこのダクトを完成させるために実作業日を3日取りました。
 せっかちで強行スケジュールを行なう管理人にとってはある意味異例の作業でした (^-^;
 それだけ今回の作業にはプレシャーがあったのも事実です。
 何せ管理人のプレリュードのボンネットは既に純正のものからK’s SPEEDのFRPボンネットに換装済み!!
 加工はしやすいかもしれないですが失敗は100%許されないのです。

 下準備としてベニヤ板で左右のダクトの型を作り、型を使ってボンネットの穴加工の位置をおおよそ検討しました。
 穴あけも単純にやればいいわけではなく極力水の浸入があってもダメージが少ないところを選ばないといけません。
 あと、左右のダクトの間隔も極力ランエボ純正の間隔にこだわりたかったというのもあり、まずはランエボの純正の寸法に間隔を取り、ボンネットの形状と検討して一番無難と思われる位置をおおよそ出し、コンベックスで計って穴がエンジンルームのどの辺りに来るのかを確認しました。
 すると・・・・・計ったようにうまいことに位置的にはラジエター後方からエキゾーストマニホールドにかけての一番水の浸入を意識しなくてもよく、更に排熱効果の最も効果のある位置にくるではありませんか!!
 更に、この位置はボンネットの裏を見てもちょうど骨の隙間に大半が収まるような場所なので強度の低下は最小限ですみそうです。
 いやー、ラッキーでした♪
ボンネットにマスキング
 ではでは、早速作業に入ります。
 前述した穴あけポイントにマスキングテープを貼り鉛筆等で型を罫書けるようにします。
 また、加工作業の際に極力ボンネットに傷をつけないようにするために外側に大きくマスキングを施します。
ジグゾー加工
 ダクトの各コーナーに電動ドリルで穴を開けたら後はジグゾーで罫書き線の内側を切断していきます。
 かなり恐怖&緊張でしたがこの作業自体は両方で10分そこそこで終わってしまいました (^^;)
 はじめるまでは「ほんとに大丈夫なのか?」という疑いの気持ちはありますが思い切って着手してみると案外あっさりしてました _(^^;)ゞ

 余談ですがこの画像の手タレをしてもらってるのは加工で毎度おせわになってるじぬさんです
穴あけ完了
 かくして見事・・・というか・・・・とうとうというか・・・・・ボンネットに大穴があいてしまいました。
 (画像ではまだ片方だけですが・・・・)
 いやー、ここまで来るとさすがに諦めがつきますねぇ σ(^◇^;)
 あとは罫書き線まで残した加工しろを削ってダクトが収まる形状を出す作業です!!
エアサンダーで調整
 ここで新兵器登場!!
 手で削ることも当然可能ですが綺麗に早く仕上げるためにエアサンダーを使用しました。
 エア工具を存分に使えるじぬ整備工場のこの環境はほんとに作業者にしてみたら至れり尽せりですね!
 さすがにコーナーの形状だけは手で丸やすりを使ってやらなければなりませんがかなり楽にフィッティング作業ができたと思います!!
ガムテープチューン(笑)
穴開きプレリュード (^-^;
 この時点で結構遅い時間になってしまっていたんで型作りから始めた作業の2日目が終了です。
 慌てて作ってもいい結果出にくいですしね。
 とりあえず、自宅までのエンジンルームへの異物侵入と防水を考えてマスキングテープの上に布テープを貼って帰宅。
 自宅ガレージでテープを剥がして翌週の再作業日までは愛車に眠ってもらうことにしました。
ボンネット裏
 作業3日目
 ダクトに合わせてフィッティングの最終調整を行い、ダクトが穴に収まり且つダクト表面のパッキンのツバがボンネット表面に引っかかるようにします。
 かなり寸法がシビアなんで2日目同様エアサンダーとヤスリを用いての作業です。
シーリング
 フィッティングが終わったらボンネット表面からマスキングテープでダクトを固定してから裏面にシーリング剤を盛って固定です。
 なんか、一昔前に年賀状の時期に活躍した”プリ○トごっこ”の黒のインクを盛ってるみたい(^-^;
 シーリング剤は家の外壁や屋根に使用する屋外用のものをチョイスしました。
 あとはひたすらシーリング剤の硬化を待つだけ・・・・・・といってもこのシーリング剤、完全な硬度が出るまで約48時間という代物。。。。当然、硬化までは待ってられません。
 とりあえず、残った仕事を片付けます・・・・・・
裏蓋固定
 ランサーエボリューションの外装写真を見てもらえるとわかるようにボンネットダクトの裏にはフィン形状の蓋のようなものが見えると思います。
 この部品はインシュレーター(ボンネットの遮熱布)と一体になってる薄い金属の板なんです。
 ダクトは中古で購入しましたがこの部品は中古では見つからず、三菱部販に発注をかけて入手しました。
 これを取り付けしやすいように周りの余計なところを切除したものを用意しました。
 この蓋をとりあえず仮で固定するためにアルミのチャンネル(コの字の棒)を使用しました。
 このままだと見た目にいまいちなんで今後、何か他の方法で固定したいと思います。
ボンネットダクト
ボンネットダクトその2
 あとはボンネットを車体に取り付けて表面のマスキングを剥がせばこの通り完成です!!
 前述した通り、シーリング剤が乾くまでは完全完成とは言えませんが・・・・
 見た目にもさほど違和感も無く、それでいて異色性をかもし出してると思うのはオーナーバカなんでしょうか?
ダクト補修&補強 (T.T)
 だがしかーーし!さすがは(?)魔物が住むとうわさのじぬ整備工場です(笑)
 ここの工場で作業すると誰か一人がイレギュラーなトラブルに巻き込ませるのがすっかりジンクスになってるんですが今回はナタクがやられてしまいました σ(^◇^;)
 シーリング剤をアイドリングの熱で乾かそうとエンジンをかけて表にプレを放置したまま現場の片付けをしてふと車の近くにもどると!?・・・・運転席側のダクトがエンジンルームに欠落してるじゃあありませんか!!
 いやー、驚きましたが不幸中の幸いだったのは走行中じゃなかったことです。
 原因は完成状態を早く見たいと慌てて表面のマスキングテープを剥がしたために支えを失ったダクトが欠落したと思われます・・・・
 そこでシーリング剤をガソリンで拭い取り、再度シーリング剤での固定を行ないました。
 また、今回は欠落を防止するためにダクトのメッシュに針金を付け、ダクトを固定しているマスキングテープで一緒にその針金を固定してしまう方法をとりました。
 はじめは不安でしたがなんとか走行に支障が出ないようには固定されていますね。
 あとはこのまままたガレージで完全に硬化するまで待つだけです。
 トラブルはあったものの結構綺麗についたと思います!
 あと、今後の考察ですがダクトのサイドにバッテリーとオルタネーターが来てしまっているのが気がかりです。
 オルタネーターに関しては意外と問題が出ていないみたいでですがバッテリーは気になりますね。
 対策として+端子に漏電防止用のコーティング(カー用品店のバッテリーコーナーに売ってます)を使用して端子への水分の付着を防止しました。
 加工難易度は結構高めの加工でした・・・・
 今回はFRPボンネットへの加工だったんで切除の作業は意外と簡単にいきました。
 同じ事をスチールのノーマルボンネットにしようと思ったら結構大変かもと思ってしまいます。
 ま、こればかりはやってみないと、意外とFRPの方が難しいかもしれませんが。
 何にしろ、見た目も性能も難易度に見合った満足いくものが出来ると思いますね。
 一番の難点というかポイントは使用したいダクトの取り付け形状が自分の車に合っているかどうかのような気がします。
 当たり前ですがフィッティング作業は手を抜かず微調整をする気でかかってください。
 
 あと、スチールボンネットに取り付けをする方は切断の切り口が鋭利になってる場合があるんで怪我に注意し、作業後の切り口への防サビを忘れずに!
おまけ画像
ある日のじぬ整備工場
 おまけ画像として今回の作業と同時進行で作業したPFC函館メンバーの画像を掲載します。
 まずは、たびたびナタク号改造の折に登場するじぬ工場内部の画像です。
 この日はナタクのボンネットダクト取り付け作業と一緒にPFCメンバー2人が各自の作業を行ないました。
ボンネットレスナタク号
 まずはボンネット加工のためにボンネットフードを外されたナタク号です。
 このまま買出しとかいったら超注目の的なんでしょうね σ(^◇^;)
凰呀号
 続きましてはPFC会員、カーボンボンネットが特徴の凰呀さんです。
 今回はお友達と自分のエアロパーツの補修をしてました。
Feris号
 PFC会員、函館地区のオーディオチューンの達人、Ferisさんです。
 今回はまたもやサウンド系の変更を施していましたがこの内容に関してはナタク号・凰呀号に後日フィードバックされる変更がされているために詳細は他の項目で後日ご紹介したいと思います。