バルブクリアランス調整
 ・・・・まずは聞きなれない言葉ですよね( ;^^)ヘ..
 別名タペット調整とも言うんですが・・・・・

 私自身、言葉は知っていても実際のやり方の詳細なんかはよくわからなかったメニューなんです。
 じゃあ、なんでこんなものに手を出したかというと・・・・・
 私の知人のDIY好きのCIVIC type−R乗りのお友達が先日、ネットでやり方を見ながらバルブクリアランス調整をしてみたところ、HONDAが本気で作りこんだ名機であり、CIVIC type−R EK9の心臓部であるB16Bエンジンのクリアランスが4気筒全16箇所のうち3箇所が規定値外であったという話を聞いたんで「35000kmのB16Bがそうならうちの120000kmのH22Aなんてどんなことになっちゃってるの!?」と思ったことが発端です。

 やり方を聞いてみると以前やったエンジンヘッドカバーの交換作業+α程度なんでやってみようかなぁ・・・と。

 でも、なんだかんだ言ってもエンジン内部の調整!
 もしミスでもしてエンジンを逝かせるようなことがあっては大変と整備作業のプロであるお友達のhoribonさんに連絡。
 電話でアドバイスをもらい、ついでにナタクの工具箱の中になかったシックネスゲージ(隙間ゲージ)もお借りしました。

 作業場所はお約束のじぬ整備工場♪
 約束の工場オープン時間よりも早めに到着してボンネットを全開にして風に当て冷却。。。。
 2時間放置でエンジンが冷えたところで早速作業開始です!!

 まずはエンジンヘッドカバーの取り外しなんですが・・・・このやり方はエンジンヘッドカバー交換の項目で紹介してるんで省略いたします・・・
 カバーを外したところでシックネスゲージを使ってバルブクリアランスを確認します。
タイヤハウス内
 まずは下準備としてジャッキアップして助手席側のタイヤを外してしまいます。
 あと、作業の邪魔になるんでステアリングを目いっぱい右に切っておきます。
 そうすると画像のようにタイヤハウスの中にラチェットをさす部分がありますので19のコマとエクステンションを差しておきます。(中にクランクプーリーのボルトがあります)
 私はエクステンションを使用しないでスピンナーハンドルを使用しました。
スプロケット
 エンジン側面の2つのスプロケットのUPの印を上に向くようにタイヤハウス内のラチェットを左回りに回します。
 こうすると1番ポートが圧縮上死点に来ます。
 で、ここまできたら以下の表をご覧ください。
IN
EX
圧縮上死点 吸入 排気上死点 燃焼
 今の状態で左の表の状態に各ポートがなっています。
 左表のXの部分のバルブが調整可能なバルブです。
 つまり、現在の状態では・・・・・
 インテーク側:1・2ポート/エキゾースト側:1・3ポートが調整可能です。
 ちなみに手間のバルブがエキゾースト、奥のバルブがインテークになります。

 この表のポートの数字はクランクを左に90度回す毎に一つずつ左にずれます。
 つまり上記4箇所の調整が終わったらクランクを180度回すと今の4箇所の○の位置にXが来ることになるんで残りの4箇所が調整出来るということになります。
 ・・・パズルみたいですが単純に言ってしまえば、表のXの位置を調整してからクランクを180度回して、現在の○の位置を調整すればいいんです(^_^;)
隙間測定
 なんか説明がややこしくなりましたが、調整可能なポートにシックネスゲージを入れて現状の隙間がどのくらいなのか確認します。
 ちなみにディーラーに問い合わせたクリアランスの規定値は・・・・
 インテーク側:0.15mm〜0.19mm
 エキゾースト側:0.17mm〜0.21mm

です。
 ちなみにポートはスプロケット側から1・2・3・4ポートです。
IN 0.18 0.18 0.18 0.18 0.18 0.18 0.18 0.18
EX 0.2 0.2 0.23 0.22 0.2 0.23 0.2 0.2
 これがナタク号のH22Aエンジンのバルブクリアランス値です。
 インテーク側は全く問題ないですがエキゾースト側は3箇所、規定値外の部分がありました。
 インテーク側は熱がかからないのでさほど年度による変化はなかったものの熱の影響のあるエキゾーストはやはり狂う率が高いみたいですね・・・・


 で、問題はここからです。
 ここから調整を始めるんですが数値をどのくらいにあわせていくかです。
 とりあえず、規定値範囲内で収まってて各ポートに狂いのないインテーク側は今回はほぉっておいて・・・問題はエキゾースト側の調整です!!
 単純に考えれば楽なのは規定値外になっている3箇所を0.2mmに仕上げるのが無難といえば無難です。
 でもでも、せっかくここまでバラしたんだからあえて調整値を変えていきたい気持ちもある・・・・
 そんなわけで今回の調整では・・・・・・
 インテーク側:0.18mm/エキゾースト側:0.19mmに調整してみました。
バルブ調整部
ロックナット緩め
クリアランス調整
 調整ですが各ポートに左の画像のような調整部があるので、ラチェットでナットを緩め、真ん中のネジにマイナスドライバーを立てて回し、シックネスゲージで隙間を調整していきます。
 本当はディーラーでの調整ではラチェットのようなナットを回せる工具で中が中空になっているものを使ってマイナスドライバーを使用して調整ネジを押さえながら締めこんでいくのですが今回は工具がないもので調整してからナットを締めて、再度シックネスゲージで隙間を確認し、もし締め込み時に狂っていれば再度調整と、少し面倒くさい方法を使いました。
 なれないと大変ですが慣れてきた後半の作業はかなりハイペースで進められました。

 全ての調整が終わったら、エンジンヘッドカバーを戻し、各配線を元の状態に戻して作業終了です!!
 ヘッドカバーの戻し方もエンジンヘッドカバー交換のページを参考にしてください。
−インプレッション−

 さすがにエンジン系をいじった後のセルを回す瞬間は緊張しますね( ;^^)ヘ..
 かなりドキドキしながらエンジンをかけると・・・・・!!
 排気音が明らかに静かになったというか落ち着かない感じがなくなってます!
 正直、こんな調整程度で変化があるかどうかと思ってかかった調整でしたが明らかに変化を感じられました・・・(^_^;)
 すごいんですね、調整って・・・・
 試しにテスト走行してみましたがPOWERというよりもレスポンスの変化っていうか・・・前よりも落ち着いた感じになりました。
 逆に言うといままであんな状態で走っていたということはエキマニやマフラーの性能を引き出しきれてなかったということですね・・・・
 たかが調整・・・されど調整・・・・・馬鹿にしていた私が悪ぅございましたぁ``r(^^;)


 ちなみにですが、この調整、ディーラー任せで1.5万円コースです。
 中腰作業で体的には結構辛いですがそれなりの成果は上げられると思いますよ♪